アスパラガス栽培マニュアル その②

「土寄せ」とはこの栽培の特徴である「深植え」によって出来た穴を塞ぐ作業です。定植時は低温のため、植穴を残すことで空気の層を作って保温しますが、温度が上がってくるとこの穴から入りこむ外気によって株元が焼ける「マルチ焼け」という症状がおこります。その穴を塞ぎ、焼けを防ぎます。

作業目安は茎径が5㎜を超えたくらい、あるいは平均気温が25度を超えたら行ってください。焼け防止なので早めに行っても構いません。マルチがバタ付かないよう、穴を塞ぐように寄せてください。


アスパラガスは茎丈が伸びるため(最盛期で2m以上に!)風の影響を受けやすいので折れたり、倒れたりしないように対策が必要です。
地植えの場合はイボダケなどで支柱を設置し、ネットを張ります。ネットの目合いは15~20cmくらいで3目~4目のものをお選びください。
麻ひもで代用する場合は格子状に張ると倒伏しにくくなります。
2段から3段に分けて張ってください。設置の仕方はこちらを参照してください。

鉢植えの場合は朝顔用の支柱を代用すると便利です。大きめのものをお選びください。
推奨の大きさは180cm程度になります。(地下に30cmくらい差し込むため、長いものが良いです。)




追肥は5月から1か月に一度頻度で行います。生育状況や畑などの地植えと鉢植え、プランターで異なるので注意して下さい。
また、与える肥料の種類も時期と植え方で変わります!追肥は水やりと同じく、枝先の真下あたりに与えるイメージです。

 


5月~10月にかけて追肥を行います。
株元から少し離したところに苦土石灰を15g与え、少し土をかぶせてあげてください。チッソ分は基本的に不要ですが、定植から3か月を過ぎても生育がおとなしい場合(茎径で1㎝以下)は888を10g施用して様子を見てください。生育に伴い、施肥をする位置も徐々に離していきます。
栽培後半は通路に与えるイメージなります。根の位置がそこまで伸びているためです。


5月~10月にかけて追肥を行います。
鉢植え、プランターの場合はチッソ分の流亡を考慮して追肥します。
株元から少し離したところに888を10g、苦土石灰を15g与え、少し土をかぶせてあげてください。生育に伴い、施肥をする位置も徐々に離していきます。
9月に入りましたら、苦土石灰15gのみに切り替えてください。チッソ分を切ることで、養分転流に速やかに移行できます。



寒くなってくるとアスパラガスは蓄えた養分を約1か月かけて根に送る「養分転流」を行います。
この養分転流が行われ、貯蔵根と呼ばれる太い根に養分がしっかり溜まると翌年太くて立派なアスパラガスが採れるというわけです。

養分転流が終わる頃には「黄化」といって紅葉するようにきれいな黄色になって枯れていきます。
手で触ってポロポロ崩れるようになることは綺麗なベージュ色になりますので、そうなったら地際ですべて刈り取り、畑の方はマルチをはがして今期の栽培管理はすべて終了です!

※マルチを張っている方は必ずこのタイミングではがしてください!地温が下がらず、寒い時期に萌芽が始まり、寒さで凍るなど、凍霜害を受けて食べられなくなってしまいます!


春を迎え、地温が15℃を超えてくると春芽の萌芽が始まります!この栽培では萌芽したものをすべて収穫して下さい!
春採りの採れたてアスパラガスの美味しさは格別ですよ!これで栽培管理はすべて終了です。お疲れさまでした♪

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