

ハウス栽培
露地栽培
※家庭菜園は一般地の気候をもとに作成
葉や茎、果実などに発生し、葉には褐色水浸状の円形病斑を、果実には水浸状の病斑を生じ、表面に灰色のかびを生じる。 低温、多湿、多肥条件や芽かき、葉かきなどで傷がついた時に発生しやすく、特に古い花弁から発生することが多い。
ソバージュ栽培では、生育後半から終期にかけて多く見られる。 罹病した花や葉などの被害部分を取り除くのはたいへんなため、予防と初期防除に努める。
下葉より小斑点が生じて周囲は黄色くなり、病状が進むと上位葉に蔓延する。 8月後半より発生が見られる。発生前に薬剤を定期的に散布し、予防することが大切である。
青枯病 病原菌は土壌中に生息する細菌であり、トマトのほかにも、ナスやピーマン、ジャガイモ、イチゴなど200種以上の作物を侵す多犯性の典型的な土壌伝染性の細菌病である。 発病株は周囲への伝染源となるため、見つけ次第抜き取る。 被害作物は圃場に鋤きこまずに焼却処分する。 汚染している圃場で使用した農機具は良く洗浄・消毒する。
関東地方などの温暖地では水田転換畑などの土壌水分が多い圃場で発生している。
疫病は地上部のあらゆる部分に発生し、葉でははじめ灰緑色水浸状の病斑を生じ、拡大して暗褐色の大型病斑となる。
露地栽培では風雨で土がはね返り被害が多くなる傾向にあるため、畝にマルチをして土のはね返りを防ぐ。
チッソ肥料が多いと茎葉が繁茂し、被害を助長するので注意する。
縦長果でソバージュ栽培に向いていること、味も良く、日持ち性に優れることからハウス栽培でも広く使われている
さまざまな研究に使用され、データが多いため、比較対象として使用した
明治大学生田キャンパス(神奈川県川崎市、標高65m)
ソバージュ栽培 畝幅2.2m × 株間1.0m (1.6m、0.4m)
慣行栽培(1本仕立て)畝幅 1.8m × 株間0.4m
※2013~2016年:いずれも5月下旬定植
7~9月にかけて週1回調査 → 1aおよび株当たりの収量に換算
1本仕立てと比べた場合、 面積当たりの収量は、株数が1/6(明治大学での試験設計の場合)にも関わらず、面積当たりでは同じくらい採れることが明らかになった
1株当たりの収量は、ソバージュ栽培が顕著に多いことが 明らかになった
神奈川県のような温暖地の場合、慣行栽培では夏場は暑くて収穫できない場合があるが、ソバージュ栽培は8月以降の暑い時期にも採れることが明らかになった
Tukey の多重検定により、異なる符号間に 5%水準で有意差あり(n=3)。 各処理間において、符号の大文字は総収量、小文字は月別収量の比較を示す。 小文字は下から順に、7、8、9および10~12月を示す 1.0および0.4は株間を示す
園芸学研究 16(2): 137-148, 2017
「露地夏秋どりミニトマトのソバージュ栽培における収量および品質」より
糖度は、ソバージュ栽培が1本仕立てに比べてやや低いことが明らかになった。
リコピン含量は、ソバージュ栽培が1本仕立てに比べて同程度か高い傾向にあることが明らかになった
t検定により、** は1%水準で、* は5%水準で有意差あり、n.s.は有意差なしを示す(n=9)。 Tukey の多重検定およびt検定により、異なる符号間に5%水準で有意差あリ(n=9)。 2014年の慣行0.4区については、9月以降の可販果が少なく、サンプル数が不足したためデータなし
園芸学研究 16(2): 137-148, 2017
「露地夏秋どりミニトマトのソバージュ栽培における収量および品質」より
作業項目別に作業時間を比較した。
ソバージュ栽培は収穫時間が顕著に長いが、その他の作業時間は1本仕立てに比べて短いことが明らかになった
収獲時間が長い理由として、葉が繁茂して収穫適期の果実 を探す時間がかかることが考えられる。
そのため、今後は こうした収穫方法の改善も考えていく必要がある
農作業研究 52(1): 15-25, 2017
「露地夏秋どりミニトマトのネット誘引無整枝栽培における作業性」より
味の素社の協力により、糖およびアミノ酸含量を計測した。
糖およびアミノ酸含量は、品種間差異、地域間差異および栽培法による差異があり、供試品種のなかでは、ロッソナポリタンのアミノ酸含量が最も高かった
園芸学研究 16(別1): 343, 2017
「異なる地域におけるソバージュ栽培が露地夏秋どりミニトマトのアミノ酸含量および糖含量に及ぼす影響」(園芸学会平成29年度春季大会研究発表)より