ニュースリリース

5大要素(N、P、K、Ca、Mg)以外にも微量要素のバランスが整っていなければ作物はよく生長しないのですか?

その通りです。
微量要素は、土壌中や作物中にほんのわずかな量だけ存在する物質ですが、その働きは5大要素とつねに連動していて、その過不足によって作物は大きい影響を受けます。
ホウ素は糖分を細胞内に運び、マンガンはタンパク合成、亜鉛は受粉、鉄は葉緑素の生成にそれぞれ関与しています。またモリブデンはアミノ酸合成に大きく関与しています。
近年の土壌分析結果では、日本全土にわたって微量要素の慢性的な欠乏が問題視されるようになってきました。
葉っぱに発生するマンガンや鉄の欠乏症状はマグネシウム(苦土)欠乏、ホウソの欠乏症状はカルシウム(石灰)欠乏に酷似しているため、現場では解決手段が見つからず大きい問題に発展している例も数多く見受けられます。

PSキレ-ト5」は葉面散布と土壌潅注用の液肥です。キレート形態の微量要素が切れ味鋭く、欠乏症状を解決します。
元肥や追肥用の微量要素肥料の「健作くん」も土壌中で、ゆるやかに長く効果が持続します。

PSキレ-ト5、健作くんについてはこちらをご覧ください。

2016.01.14

カルシウム欠乏の症状として、チップバ-ン(葉先枯れ)や果実の尻腐病の発生が一般的ですが、なぜそのような症状がでるのか、メカニズムを教えてください。 元肥と一緒に炭酸苦土石灰を所定量投入しても発生するのは、どうしてですか?

植物の細胞壁は鉄筋コンクリートのような構造をしています。セルロース繊維が基本骨格(鉄筋)となり、その周囲をペクチンやヘミセルロース等からなる基質(コンクリート)が固めています。
カルシウムはペクチンの繊維同士を結びつけ基質の張力を高め、細胞壁をより強固にする働きがあります。
カルシウム欠乏症状が生長点や果実先端等で起こりやすい理由は、植物体内中でのカルシウムの移行性が悪いためです。根から吸収されたカルシウムは蒸散流に乗って導管を移動し各部位の細胞壁成分として利用されますが、移動しづらいため根に近い部分から優先的に利用されていきます。この為、根から遠い生長点や果実等で利用できるカルシウム量は限られ、細胞壁の構造が弱くなり欠乏症状が発生しやすくなります。
これを防ぐためには、十分な量のカルシウムを植物に供給することが必要です。
しかし、石灰に含まれるカルシウム成分の一部は土壌中のリン酸と結合し植物が利用しにくい難溶態として固定化されます。結果、石灰資材を十分量投入してもカルシウム欠乏症状が発生することがあります。

そのようなカルシウム成分の特性を改善するため商品化した製品が、弊社の「PSカル」です。
PSカル」はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)というキレ-ト形態の有機酸カルシウムになっていますので、通常の形態のカルシウムに比較して、植物体内での移動性が画期的に改善されています。

すなわち、細胞壁の構成要素であるペクチン酸にすぐには捕まらないため、植物体内でもっとも要求量の高いところの細胞まで、確実に到達する割合が極めて高いのです。
PSカル」の定期的な葉面散布によって、チップバ-ンや果実の尻腐れを未然に防ぐことができるばかりでなく、作物の品質と収量の改善効果も高まってきます。
PSカル」が日本各地のさまざまな作物の葉面散布剤として、幅広く定着しているのは、上述の理由からなのです。

2016.01.14

近年亜リン酸肥料が多くの肥料会社から販売されていますが、普通のリン酸肥料との違いは?

簡単に説明すると、通常のリン酸はH3PO4の化学式です。亜リン酸はH3PO3となります。
たった1個の酸素原子がなくなったことで、通常のリン酸よりも使い勝手が大幅に改善されたのです。カリウムと組み合わせた亜リン酸カリは、作物への吸収性が良好で、土壌中に施用しても通常のリン酸に比べて、すぐに固定される割合が低いため、少量の施用でも十分に効果が現れるのが、最大の特長です。

弊社の「PSダッシュMEネオ」は、高純度で高成分の亜リン酸カリにキレート形態の微量要素を混合し、北海道から九州沖縄まで、さまざまな作物に使われるほどのベストセラ-になっています。

2016.01.14

毎年の土壌分析でリン酸が過剰と判定されています。農業関連の新聞や専門書にも全国的にリン酸の集積が進んでいて、施肥量をコントロールした方が良いと書いてあります。 なぜ、リン酸は土壌中に集積しやすいのでしょうか?

リン酸は土壌中で固定されやすい化学的な性質を持っています。一旦固定されるとなかなか作物に再利用されにくい形態のリン酸化合物になって、集積が進んでいくからです。リン酸は、pHが高い土壌では、カルシウム(石灰)やマグネシウム(苦土)とpHが低い土壌では鉄、アルミニウムなどと結合しやすい性質を有しています。
やっかいなのは、水に溶けにくいため、作物に吸収されにくく、着実に土壌中に蓄積されていきます。
リン酸吸収係数が大きい土壌ほど、作物への吸収率は、低下していきます。

この問題を効率よく解決するために、弊社では「PSアクティベ-タ-」と「PSリンク」を開発しました。

PSアクティベ-タ-、PSリンクについてはこちらをご覧ください。

2016.01.14

最近アミノ酸入りの液肥が数多く紹介されています。通常の窒素肥料と比較して、アミノ酸にはどういう特徴がありますか?

チッソは一般的に硝酸態チッソやアンモニア態チッソのような無機態チッソとアミノ酸やタンパク質のような有機態チッソに大別されます。畑作物は硝酸態チッソを水田作物はアンモニア態チッソを優先的に吸収します。無機態チッソはそのままでは、植物の栄養源にならないため、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)を取り込んでアミノ酸へと変化して初めて、作物の栄養源になります。

さらにそのアミノ酸同士がくっついて、タンパク質という高分子の有機物へと変わっていきます。
無機態チッソ肥料と比較すると、アミノ酸系肥料は炭素率 (C/N比) とエネルギー価が高いのが特徴です。「PSパワ-アミノ2号」の原材料には、マグロとカツオのエキスという高品質のアミノ酸が使用されていますので、作物への肥料効果が極めて高いうえに土壌中の有効微生物を活性化させる力が強いのが特徴です。

PSパワ-アミノ2号についてはこちらをご覧ください。

2016.01.14

樹液分析に処方してある液肥や単肥の種類が複数あるのはどうしてですか?

樹液分析の目的は、作物の養分バランスを明らかにしながら、作物の生産性をさらに改善していくことです。
そのためには、作物を健全に生長させていくための栄養と生産性を高めるための栄養、根を十分に働かせるための栄養の3つのジャンルの液肥、単肥、活力剤が必要になります。
中には、NPKしか入っていない液肥だけをずっと使い続ける人がいます。
残念ながらNPKだけでは、高品質の作物を増収させることはできません。人間でたとえると毎回毎回、かつ丼だけを食べて生活していることと一緒です。
作物も人間と一緒で、バランスの良い栄養を与えることで、健全な体を維持でき生産性が高められるのです。

2016.01.14

追肥で使用する場合、液肥と固形肥料とではどちらがいいですか?

栽培する作物や栽培システムによっては、液肥か固形肥料のいずれかしか使えない場合もありますが、本質的には、優劣をつけるものではありません。
それぞれの特長を十分に理解して、活用すべきです。
液肥はかん水チュ-ブや葉面散布で施用できるため一度に広面積をカバ-できます。
労力的な負担がかからず省力的ですし、施用効果もすぐ目に見えるほど速効的です。
全国の施設栽培をはじめ様々な作物で、追肥用に液肥が定着しているのは、上述の理由に他なりません。

それでは固形肥料を追肥用に使うのはナンセンスではないのかというと、そうではありません。
液肥の不足分を補完する目的であれば、積極的に利用すべきです。
たとえば、長期間にわたって収穫が継続するトマト、ナス、ピ-マン、キュウリなどでは穴肥、通路肥、肩肥などを定期的に施すことで液肥の不足分を補うことができます。
追肥で使用する固形肥料は、土や作物にやさしく土壌中の有効微生物の活性を促進するような資材を選びましょう。

2016.01.14

元肥を投入するときに気を付けなければならない点は何でしょうか?

弊社PSラボの土壌分析を利用される場合には、その処方箋通りの投入量に沿っていただくだけでOKです。
大事な点は、土壌に不足している分だけを補うということです。土壌分析もまったく行わずに毎年同じたい肥や肥料それに土改剤を決まった数量だけ投入するのは無謀です。
特定の成分の集積や欠乏が進行して、土壌の物理性・化学性・生物学性が確実に悪化します。

緩効性肥料やロングタイプの化成肥料は、肥効期間や肥効率が温度や土壌水分によって大幅に変化することを理解したうえで投入することが重要です。
一旦投入してしまったものは、取り出すことができないので、土壌分析を実施していない場合には、腹八分の投入量に抑えるべきです。

2016.01.14

各分析のデータはどこまで開示してくれますか?

水質分析とセンチュウ診断に関しては、すべてのデータを開示します。
土壌分析につきましては、「Q.土壌分析では、分析値の数値が開示できなくなったのですか?」をご参照ください。

樹液分析データの数値は、弊社での最重要守秘項目(トップシ-クレット)となっていますので、開示できません。
ただし、樹液分析を継続される時には、2回目からは「適正↑」のように同じ適正でも矢印の向きで前回との比較ができるようになっています。

2016.01.14

各分析の結果は、サンプル発送後どの位で分かりますか?

水質分析、樹液分析、それにセンチュウ診断は、弊社ラボに分析サンプルが到着後3日以内、土壌分析は15日以内にはわかります。

2016.01.14

各分析はどのくらいの頻度で行うのが良いですか? 継続して行うべきですか?

水質分析は1年に1回、土壌分析は定植前に1回、樹液分析は1ヶ月に1回行うのが理想的です。作物の様子がおかしい時や現状を知りたいときのスポット的な分析の活用も非常に有効な手段です。

土壌分析を長年続けることで、土壌中の化学的組成が健全に維持できているかどうかが判断できます。
樹液分析を継続することによって、より的確な診断が可能となり、問題の早期解決にもつながります。
土壌中のセンチュウ密度を知りたい場合には、MRDCで診断ができます。

2016.01.14

樹液分析をすれば何が分かりますか?

作物のリアルタイムの栄養バランスが分かります。
作物の外見だけを眺めて、窒素が多いとか苦土が足りないなどと判断する人がいます。それは、医者が診察もしないで患者の顔色だけから、病名を判断する事と同じです。
人間は、自分の健康状態を説明できますが作物はしゃべることができませんので、生産者が日々判断していかなければなりません。
その判断材料の基準の一つとして、樹液分析が役に立つのです。

2016.01.14

土壌分析では、分析値の数値が開示できなくなったのですか?

平成25年11月に経産省からの通達により、計量法との絡みで「全国各地の事業体で行われている土壌分析については、国家資格である環境計量士がいる場合に限り、数値の開示を認める。」というものです。
現状では全国のほとんどの土壌分析を行っている事業体では環境計量士がいないため、分析値の開示の代わりに「高い」「適正」「低い」という表示に代わります。処方についてはこれまで通り行う事が出来ます。

2016.01.14

水質分析はなぜ必要なのですか?

水質によって、肥料や農薬の効果は大きく影響を受けます。したがって、作物の生育もそれによって大きく左右されます。
水質分析を行うことで、作物の生育やかん水チュ-ブに不都合をもたらす要因(pH、硝酸態チッソ、塩分、鉄分、マンガン、重炭酸など)を確認でき、その対処法についてのアドバイスを用意します。

2016.01.14

どのような流れで分析するのが良いのでしょうか?

まず、水質分析と土壌分析をし、その後樹液分析をします。

2016.01.14

タイマ-やマイコン制御の自動かん水システムを導入すると必ずうまくいきますか?

それは大きな誤解です。
どんなに立派なシステムでもそれは、装置でありハードウエアにすぎません。確かに施肥・かん水にかかる労力は大幅に軽減できますが、一番肝心なのは、作物のパフォーマンス(収量・品質・収益性)を最大限に引き出すためのソフトウエアを持っているかどうかということです。
作物は生物であり加工品ではありませんので、プログラムが組み込まれたシステムでは当然、限界があります。

作物の変化や要求に対してリアルタイムに対応できるソフトウエアを持ち合わせていなければどんなに高価で高能力の自動かん水システムでも、省力化目的のみの費用対効果の非常に低い装置に過ぎません。

2016.01.14

液肥混入器は、フィルターの前後のどちらに設置すべきですか?

点滴チューブの目詰まり防止のために、必ずフィルターの前(水源に近い側)に設置してください。

2016.01.14

点滴チューブ(T-Tape/Ro-Drip)を設置するときには、必ずフィルターが必要ですか?

必ず設置してください。ディスク、スクリーンいずれのタイプでもOKです。

120メッシュ以上、できれば140メッシュか155メッシュのエレメントであれば十分です。
水源が水道水や井戸水であっても、肥料を流す予定であれば、フィルターは必須です。

2016.01.14

点滴チューブ (T-Tape/Ro-Drip) は、どの位の長さまで均一にかん水できますか?

詳しくはカタログのスペック表をご参照ください。

ぜひ点滴チュ-ブの資料をご請求ください。

資料請求は、こちら

2016.01.14

点滴チューブ (T-Tape/Ro-D)は何年使用できますか?

水質とろ過システムの充実度合い、かん水される液肥の種類や頻度によって、使用可能年数は変わります。
使用可能期限を左右するのは、目詰まり防止対策及びメンテナンスです。
弊社では、目詰まり防止のためのノウハウを原因ごとに取り揃えて、メンテナンスの指導とアドバイスを行っております。
物理的もしくは化学的、有機物もしくは無機物によって引き起こされる目詰まりなのかそれぞれの原因によって、対処法は変わってきます。

2016.01.14