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光合成とは

植物の話になると必ず出てくるのが「光合成」です。
光合成の働きを理解し、促進するすることが出来れば、甘くて美味しい栄養満点のトマトを作ることができます。
光合成とは何か?光合成を促進させると何がいいのか?光合成を促進させる方法は?という疑問にお答えします。

光合成とは何か?

光合成とは簡単に説明すると「太陽の光と二酸化炭素と水から糖分(炭水化物)」を作る反応です。
主に必要なものは水、マグネシウム、光、二酸化炭素、窒素などです。


糖分が多ければ収量や糖度を上げることができ、植物体を強固にし病害虫の被害を軽減することができます。
糖分を蓄えることで例えば天候不順の時に光合成がしにくく、糖分を作る量が減った時に補うこともできます。

植物の肥料というとチッソのイメージが強いですが、厳密にいえばチッソ(硝酸態チッソ)と光合成で作られた糖分が一緒になってアミノ酸が作られ、たんぱく質が合成され細胞が作られていきます。
つまり、たんぱく質がなければ細胞が作られず、植物の生長はありえません。

ちょっと難しいですが、植物の中でチッソがアミノ酸、たんぱく質に合成されるイメージは下図の通りです。
どこかで何かしらの要素が足りなければこの合成の流れは滞ります。

ちなみに光の当たり具合が違うと生育は大きく異なります。下の写真は同じ日に植えたソラマメですが、左は建物の影になり午前中がほぼ光が当たらない環境でした。日当たりの重要性が垣間見えるかと思います。
夏になれば日が真上から指すのでもう少し条件は良くなると思いますが、それにしてもすごい差でした。

光合成を促進させるには?

光合成の条件として水、マグネシウム、光、二酸化炭素、窒素をあげましたが、まずはこれらをしっかりと補ってあげることです。結局のところ、「適切な肥培管理」につきます。
適切な肥培管理こそが光合成を促進させる最大のポイントです。

といっても通常の栽培管理をしていれば十分賄えるものばかりですが、特に注意したいのは水とチッソです。
トマトの栽培で「水を切るというものがありますが、水を切ってしまえば植物は日が当たっていても光合成力が著しく低下します。
水を切るということは光合成や肥料供給の面から考えても植物にかかる負担は大きいと考えております。

そしてチッソです。
チッソは光合成に欠かせない要素の一つですのでなければ光合成が出来ませんが、過剰にあると問題が発生します。
光合成によって得られた糖分とチッソが一緒になってアミノ酸~タンパク質へと変化しますが
チッソ過剰の場合は作られた糖分がチッソにどんどん使われてしまい、細胞を作ったり、根を張ったり、体を強化させることに使ったりすることが出来なくなります。

とはいえこの「適切な肥培管理」が実は難しかったりします。

完璧な肥料コントロールをしても雨が毎日降れば光合成力は著しく低下し、結果的にチッソがあまってしまったり、あるいは雨でリーチング(土中の肥料が流されてしまうこと)が起きて肥料バランスが悪くなったりもします。
ですから常日頃から「植物を視る」ということが重要になってきます。
あれ、葉の色がおかしいな?なんか葉先が枯れているな?など植物は常にサインを出しています。このサインを見逃さないことが栽培の上手、下手を分けるポイントかもしれませんね。

ただどうしても天候に左右されるところではございますので、曇天や雨が続く場合は光合成能力が一日しく低下しますからそういう時は付属の肥料と「お酢」を使って補ってあげるとよいでしょう。
「お酢」は光合成によって得られる糖分に非常に似ております。(お酢 C2H3O2 光合成産物=ブドウ糖 C6H12O6 ちょうどお酢を三倍にしたものです)
お酢を使うことで、疑似光合成を与えることが出来るので、アミノ酸への変化がスムーズになるというわけです。
雨が続く場合はなかなか与えにくいですが、曇天の時などはぜひお試しください!

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