パイオニアエコサイエンス

2021.04.16
栽培のポイント

トマト栽培マニュアル 事前準備編

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苗配送時には冊子にしてお送りいたします。お楽しみに!

 

2021.03.26
栽培のポイント

栽培の基本編 肥料について

栽培の基本編、つづいては肥料について

肥料とは

皆さんが一般的にいう肥料とは大半が化成肥料となります。
ホームセンターなんかで売っている、8・8・8とか10・10・10とか書いているアレです。
この数値は何かというと「その肥料の袋に入っているチッソ、リン酸、カリウム」の配合率のことなんですね。
例えば10㎏の袋に8・8・8と記載があったときは、その袋に「チッソ0.8㎏、リン酸0.8㎏、カリウム0.8㎏」が各成分で入っていますよ~という意味になります。
プロの農家さんはよく10a(10アール、約1000㎡、333坪です)あたり○○㎏、という計算をします。
この時の10aあたり○○㎏というのは、すべてその成分で計算します。

10aあたり8㎏の窒素を入れたい、となれば上記にある8・8・8を100㎏入れればよいのですが、その際はリン酸とカリウムも8㎏ずつ入る計算になります。
なので、様々な資材を組み合わせてその土地にあった肥料を設計していれるのが一般的なんです。

 

肥料の種類

肥料には様々な種類があり上記にあった「チッソ、リン酸、カリウム」は有名ですので多くの方がご存じかと思われます。
これらは肥料の三大要素として有名ですね。
この肥料にカルシウム、マグネシウムを加えて「五大肥料」とも呼びます。
しかし我々人間が様々な食事を欲するのと同様、植物もおよそ12の成分を必要とします。(細かく言うともっとあります)
残りの7種類、それが微量要素といわれるものです。
主にホウ素(B)、塩素(Cl)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)などがあります。
微量要素は入れる量がわずかなため忘れがちですが、これらの要素が欠乏することによる弊害は計り知れません。
例えば、。銅なんて入れるの?と思うかもしれませんが、銅がないと鉄が動きにくくなります。
鉄?そんなもの入れるの?はい、入れます!人も鉄分補給は大事ですよね。同じです。
で、鉄の動きが悪くなると結果的にマグネシウムの動きが悪くなり、光合成の低下、ひいては糖分を作ることができないので
結果的にチッソと水で育ち、美味しくないトマトの完成です!

OK、じゃあどれくらい入れるの?

家庭菜園での栽培ではよく株あたり100gといった表現が使われていますが、あれは肥料成分ではなく現物の重さで考えています。
8・8・8の肥料を株あたり100g入れるということは、3つの成分が8gずつ入る計算になります。
こまけぇなぁ、と思うでしょうがもう少々お付き合いください(笑)
1株あたりチッソ成分が8g入る、ということは10aあたりやく2000株ほど入れるトマトにおいては10aあたり16㎏のチッソ成分を入れる計算になります。
私どもはトマトにおいては10aあたりチッソ成分で8~10㎏程度を推奨し、足りない分は追肥で補う考えでいます。
ですので、株あたり60g=チッソ成分で4.8g(≠10㎏/10a 2000株)を目安に入れていただきます。

その他の成分は?

チッソ、リン酸、カルシウムはその作物によっておおよその数値が決まっております。
それに対して、カルシウム、マグネシウムの量をしっかりと決めることが出来ればおおよその数値は整います。
ではどれくらいかといいますと、チッソの10倍のカルシウム、2倍のマグネシウムです。
8・8・8の場合、60gを株あたりに入れるとおよそ4.8gの窒素が入ります。そこに苦土石灰(カルシウムとマグネシウムの肥料)を入れるわけですが
成分で見たときに48gのカルシウムと、9.6gのマグネシウムが必要です。
一般的に売っている苦土石灰はカルシウム55%、マグネシウム15%程度です。90g入れるとカル49.5g、マグ13.5g入るわけです。

なので60gの8・8・8と90gの苦土石灰を1株あたりに与えることで、おおよそ適正な肥培管理ができるというわけです。
(本当はリン酸とカリウムは少し足したいのですが、肥料が細かくなるので追肥で対応します!)
ただ、注意したいのは、この施肥はすべて土壌成分がきれいな状態の時です。過剰な場合はコントロールしないといけませんが、その話はまた後ほど。