近年亜リン酸肥料が多くの肥料会社から販売されていますが、普通のリン酸肥料との違いは?
簡単に説明すると、通常のリン酸はH3PO4の化学式です。亜リン酸はH3PO3となります。
たった1個の酸素原子がなくなったことで、通常のリン酸よりも使い勝手が大幅に改善されたのです。カリウムと組み合わせた亜リン酸カリは、作物への吸収性が良好で、土壌中に施用しても通常のリン酸に比べて、すぐに固定される割合が低いため、少量の施用でも十分に効果が現れるのが、最大の特長です。
弊社の「PSダッシュMEネオ」は、高純度で高成分の亜リン酸カリにキレート形態の微量要素を混合し、北海道から九州沖縄まで、さまざまな作物に使われるほどのベストセラ-になっています。
カルシウム欠乏の症状として、チップバ-ン(葉先枯れ)や果実の尻腐病の発生が一般的ですが、なぜそのような症状がでるのか、メカニズムを教えてください。 元肥と一緒に炭酸苦土石灰を所定量投入しても発生するのは、どうしてですか?
植物の細胞壁は鉄筋コンクリートのような構造をしています。セルロース繊維が基本骨格(鉄筋)となり、その周囲をペクチンやヘミセルロース等からなる基質(コンクリート)が固めています。
カルシウムはペクチンの繊維同士を結びつけ基質の張力を高め、細胞壁をより強固にする働きがあります。
カルシウム欠乏症状が生長点や果実先端等で起こりやすい理由は、植物体内中でのカルシウムの移行性が悪いためです。根から吸収されたカルシウムは蒸散流に乗って導管を移動し各部位の細胞壁成分として利用されますが、移動しづらいため根に近い部分から優先的に利用されていきます。この為、根から遠い生長点や果実等で利用できるカルシウム量は限られ、細胞壁の構造が弱くなり欠乏症状が発生しやすくなります。
これを防ぐためには、十分な量のカルシウムを植物に供給することが必要です。
しかし、石灰に含まれるカルシウム成分の一部は土壌中のリン酸と結合し植物が利用しにくい難溶態として固定化されます。結果、石灰資材を十分量投入してもカルシウム欠乏症状が発生することがあります。
そのようなカルシウム成分の特性を改善するため商品化した製品が、弊社の「PSカル」です。
「PSカル」はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)というキレ-ト形態の有機酸カルシウムになっていますので、通常の形態のカルシウムに比較して、植物体内での移動性が画期的に改善されています。
すなわち、細胞壁の構成要素であるペクチン酸にすぐには捕まらないため、植物体内でもっとも要求量の高いところの細胞まで、確実に到達する割合が極めて高いのです。
「PSカル」の定期的な葉面散布によって、チップバ-ンや果実の尻腐れを未然に防ぐことができるばかりでなく、作物の品質と収量の改善効果も高まってきます。
「PSカル」が日本各地のさまざまな作物の葉面散布剤として、幅広く定着しているのは、上述の理由からなのです。
5大要素(N、P、K、Ca、Mg)以外にも微量要素のバランスが整っていなければ作物はよく生長しないのですか?
その通りです。
微量要素は、土壌中や作物中にほんのわずかな量だけ存在する物質ですが、その働きは5大要素とつねに連動していて、その過不足によって作物は大きい影響を受けます。
ホウ素は糖分を細胞内に運び、マンガンはタンパク合成、亜鉛は受粉、鉄は葉緑素の生成にそれぞれ関与しています。またモリブデンはアミノ酸合成に大きく関与しています。
近年の土壌分析結果では、日本全土にわたって微量要素の慢性的な欠乏が問題視されるようになってきました。
葉っぱに発生するマンガンや鉄の欠乏症状はマグネシウム(苦土)欠乏、ホウソの欠乏症状はカルシウム(石灰)欠乏に酷似しているため、現場では解決手段が見つからず大きい問題に発展している例も数多く見受けられます。
「PSキレ-ト5」は葉面散布と土壌潅注用の液肥です。キレート形態の微量要素が切れ味鋭く、欠乏症状を解決します。
元肥や追肥用の微量要素肥料の「健作くん」も土壌中で、ゆるやかに長く効果が持続します。
PSキレ-ト5、健作くんについてはこちらをご覧ください。